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BCP(事業継続計画)とは? 策定・構築方法と気を付けるべきポイントを解説

BCP(事業継続計画)とは? 策定・構築方法と気を付けるべきポイントを解説

BCP策定時に気を付けるべきポイント

とはいえ、BCP策定というのはそう簡単ではありません。災害というのは予想が難しく、不意に起こるものです。初めてBCPを作る方に向けて、策定時に気を付けるべき点をお伝えします。

初めから完璧な計画を目指さない

最初から漏れのない計画を立てようとすると、BCPは上手く行きません。災害は予測が難しく、想定外のことは常にいくつも起こるものです。あらゆる事態を想定して、起こりうる全てのリスクを網羅した完璧な計画を立てようとして時間をかけても、完成前に被災してしまえばまったく意味がありません。重要なのは、まず最低限の指揮系統と命令系統を構築して、普段から自社の資産についてマネジメントを行うことです。そのうえで、できる範囲からBCPを策定していきましょう。

情報収集のための手段を確立しておく

災害が起きたときには情報が錯綜し、混乱が起こることが多くあります。きちんと誰がどの情報を管理するのか、情報の管理責任者を決めたうえで、報告がしやすい環境を作りましょう。特に設備の現在の状態に関しては、専門的な知識が必要になることも多くあります。普段から電気設備、空調設備、給排水設備、防災設備、機械設備、防犯設備など、建物の設備についてデータ化しておけば、現在のデータと見比べることですぐに問題に気づけるかもしれません。もちろん、設備だけでなく、例えば稼働に必要なエネルギー量の可視化をしておけば、災害時に復旧するために必要な電源の確保なども素早く行えるようになります。災害に備えて自社の状況をデータ化し、いざという時の情報収集が楽になるようにしておきましょう。

BCM(事業継続マネジメント)を行い、BCMS(事業継続マネジメントシステム)を策定する

BCPは策定するだけでは意味がありません。全社員一人一人が自分ごととして、災害時に行動することによって初めて効果を発揮します。BCPを活用して組織に浸透させ、戦略的に活用を図ることをBCM(Business Continuity Management、事業継続マネジメント)と呼びます。そして、BCMを行い、BCPを改善するための仕組みをBCMS(Business Continuity Management System、事業継続マネジメントシステム)と呼びます。 BCMの例としては以下のようなものがあります。

● 緊急時に全社員がBCPの手順にアクセスできるよう、緊急時用マニュアルを作る
● 定期的な防災訓練を行う
● 定期的にBCPの策定内容についてテストを行う
● 自社の設備をデータ化し、取ったデータを保管・管理する

このように、社員一人一人にBCPの内容が浸透するようにする取組がBCMです。
BCMSの例としては以下のようなものがあります。

● 緊急時マニュアルに従って訓練をした上で、非効率的な部分を改善する
● BCPで策定した内容が古くなっていないかを確認し、都度修正する
● 社内の設備管理を行い、エネルギーや稼働状況のデータから緊急時に向けた適切な稼働状況を割り出す

このように、BCMを行ったうえで、BCPを改善していく取組のことをBCMSと言います。