ビル建物の蛍光灯をLEDに交換する必要性とは?コスト削減効果と注意点
ビル照明について、「蛍光灯からLEDへの交換でどの程度のコスト削減ができる?」「古いLEDも交換が必要?」といった疑問をお持ちのオーナーさまもいるのではないでしょうか。
蛍光灯からLEDに交換すると、大幅なコスト削減が見込めます。また、設置から10年以上経過したLEDは、寿命や安全性の観点から交換を検討する必要があります。
この記事では、蛍光灯をLEDに交換したほうが良い理由、交換する際の注意点、古いLEDの交換が必要な理由などについて解説します。
「ビル建物のLED化」に関する問い合わせは大阪ガスファシリティーズへ
目次
蛍光灯をLEDに交換したほうが良い理由とは?
まずは、現在使用している蛍光灯を、早めにLEDに交換したほうが良い理由について解説します。
2027年末までに蛍光灯の製造および輸出入が全面禁止に
蛍光灯を早めにLEDへ交換したほうが良い理由の一つとして、規制強化の動きが挙げられます。
2023年10月30日から11月3日にかけてスイス・ジュネーブで開催された「水銀に関する水俣条約第5回締約国会議」では、すべての一般照明用の蛍光ランプについて、2027年末までに製造および輸出入を禁止することが決定しました。
この決定は、環境保護と健康被害のリスク低減を目的としています。
さらに、日本国内でも省エネルギー推進の取り組みが進められており、「地球温暖化対策計画」(平成28年5月13日閣議決定)では、「LED等の高効率照明が、2020年までにフローで100%、2030年までにストックで100%普及することを目指す」としています。
蛍光灯の価格高騰と供給リスク
前述のとおり、水銀を使用した蛍光灯は2027年末までに製造および輸出入が禁止されることが決定しており、その影響で生産量や販売本数が減少しています。その結果、製造コストが上昇しており、販売単価も連動して上昇しています。
今後、生産量や在庫の減少がさらに進むと、蛍光灯の入手がさらに難しくなり、故障時の交換対応が困難になる可能性があります。そのため、早めにLEDへの交換を進めることが推奨されます。
消費電力とCO2排出量の削減
環境省によると、LEDは一般的な電球にくらべ、消費電力を約85%削減できるとされています。例えば、年間2,500時間点灯する従来型の蛍光灯(FLR40S×2灯)300台をLEDに更新した場合の試算例は以下のとおりです。
環境省「温室効果ガス排出削減等指針」LED照明器具の導入(https://www.env.go.jp/earth/ondanka/gel/ghg-guideline/search/pdf/01_215.pdf)を加工して作成
LEDへの交換により、エネルギー消費量の削減及びそれに伴うエネルギーコストの削減や、CO2排出量の削減が期待できます。またこれらに加え、さまざまなコスト削減効果をもたらします。
まず、LEDは寿命が長く、蛍光灯に比べて交換頻度が大幅に少ないため、交換作業や関連する費用も削減できます。
さらに、LEDは発熱量が少ないため、照明による無駄な熱の発生を抑えられます。その結果、空調負荷が軽減され、冷房コストの削減にもつながります。
これらの理由から、蛍光灯をLEDに交換することで、ビル全体の運用コストを効果的に抑えることが期待できます。
蛍光灯からLEDに交換する際の注意点
次に、蛍光灯からLEDに交換する際の注意点について解説します。
ランプだけでなく照明器具の交換も必要
電球タイプやシーリングライトを使用している場合は、既存の器具にそのままLEDを取りつけることが可能です。一方、直管形の蛍光灯用の器具を使用している場合は留意すべき点があります。
蛍光灯の器具には「安定器」と呼ばれる装置が含まれています。これは蛍光灯特有の電流制御を目的としたものであり、LEDには不要です。このため、LEDを取りつける際には安定器を取り外す「バイパス工事」が行われることがあります。
ただし、既存の蛍光灯器具にバイパス工事を施してLEDを取りつけた場合、照明器具の製品保証が適用外となることがあるため注意が必要です。
そのため、安全性と長期的な安定稼働を考慮し、LED化を進める際はランプだけでなく照明器具も交換することが推奨されます。
専門家に相談する
ビルの照明をLED化する際は、現地調査や図面をもとに照明器具の種類や配線状況などを確認する必要があります。
専門家であれば、安定器の有無や既存の天井開口の活用の可能性など、見落としがちなポイントまでしっかり確認できます。
さらに、省エネ効果、初期費用、長期的な運用コストを総合的に比較し、最適なプランを提案してもらえるメリットもあります。また、補助金を活用できる場合には、申請手続きに関するアドバイスを受けることが可能です。
LED化には配線工事をともなうため、専門的な知識が不可欠です。不適切な作業は照明器具の故障や火災リスクを引き起こす恐れがあるため、安全確保の観点からも専門家への依頼が重要です。
10年以上前に取り付けたLEDも交換が必要
蛍光灯と比較してLEDは長寿命とされていますが、それでも10年以上前に設置したLEDは、技術の進歩や使用環境の変化を考慮すると交換が必要です。
これは、長期間使用すると発光素子が劣化し、明るさが低下して照明としての機能が十分に発揮されなくなる可能性があるためです。
LEDの交換時期のサインとしては、使用開始時と比べて明るさが低下している、点灯中に光が点滅する、ちらつきが発生するといった症状が挙げられます。
現在のLED技術は大きく進歩しており、エネルギー効率が向上し、より少ない消費電力で高いパフォーマンスを発揮します。また耐久性も向上しており、メーカーによっては保証をつけている業者もあります。
10年前のLEDを最新の製品に更新することで、電気代の削減、照明の質の向上、さらには環境負荷の低減が期待できます。
大阪ガスファシリティーズのLEDへの交換手順
蛍光灯からLEDへの改修工事は、ビルの省エネやコスト削減に直結する重要な施策です。
大阪ガスファシリティーズが提供するUFM(オーナー代行サービス)では、EM(エネルギー管理)やCM(修繕管理)といった多角的な視点から、ビルのLED化に関する最適なソリューションを提案しています。
大阪ガスファシリティーズのビル照明のLED化における提案フローは次のとおりです。
1.現地確認
2.状況把握
3.効果等の分析
4.提案
蛍光灯からLEDへ交換する際は、まず現地確認を実施し、既存の蛍光灯器具や配線状況を把握します。この作業により、最適な交換方法や工事の必要性を判断する基礎データを収集します。
次に、LED導入による省エネ効果や運用コスト削減効果を数値化し、照明器具の交換が必要かどうかも含めて、ビルオーナーさまへ最適なプランを提案します。
LED導入に際しては、国や自治体が実施する補助金制度を活用できる場合があります。このような場合には、申請手続きのサポートも行ない、導入コストの負担軽減をお手伝いします。
「ビル建物のLED化」のご相談は大阪ガスファシリティーズへ
2027年末までに蛍光灯の製造および輸出入が禁止されることが決定しており、今後も安定した照明環境を維持するためにも早期のLED化が推奨されます。
LED化にあたっては、ランプだけでなく照明器具自体の交換が必要となる場合があり、安定器の有無や器具の状態に応じて、適切な対応が必要です。
また、10年以上前に設置されたLED照明については、経年劣化や技術の進歩を考慮すると、交換によってさらなる省エネ効果とコスト削減が期待できます。
大阪ガスファシリティーズでは、ビルオーナーさまの建物に最適なLED化を一貫してサポートし、現地調査からプラン提案、工事、補助金申請支援まで幅広く対応しています。
ビル照明のLED化をご検討中のオーナーさまは、ぜひお気軽に大阪ガスファシリティーズへご相談ください。
「ビル建物のLED化」に関する問い合わせは大阪ガスファシリティーズへ