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設備台帳とは?作成するメリットや記載項目・作成時の4つのポイント

設備台帳とは?作成するメリットや記載項目・作成時の4つのポイント

建物設備の効率的な管理のため、設備台帳作成の必要性を感じていても、設備台帳が具体的にどのようなものなのかわからない建物オーナーさまもいるのではないでしょうか。

 

設備台帳とは、建物の設備管理に必要な情報と様々な履歴を記録する台帳のことで、設備の効率的な運用に役立つツールです。

 

この記事では、設備台帳を作成するメリットや実際に記載する項目、作成のポイントについて解説します。

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建物の設備台帳とは?

建物の設備台帳とは、オフィスビルや学校、病院、商業施設など、建物で使用する設備(電気・給排水・空調など)の管理に必要な情報を記録するための台帳です。「設備管理台帳」や「保全管理台帳」と呼ばれることもあります。

建物に設置されている各設備の型番をはじめ、設置日や点検日、修理日、故障履歴などの情報を管理することで、設備の効率的な運用が可能になります。

設備台帳を作る4つのメリット

設備台帳を作る4つのメリット

建物の電気設備や給排水設備、空調設備などの管理情報を記録する設備台帳を作成すると、効率的な設備管理の実現やトラブルの予兆の早期発見などのメリットを得られます。

ここでは、設備台帳を作成することの、4つのおもなメリットについて解説します。

設備を効率的に管理できる

設備台帳を作成し、適切に維持・更新することで、各設備の設置場所や仕様、使用状況を把握することができます。

例えば、ある施設では、年に2~4回の空調フィルター清掃の契約を管理会社と結んでいました。しかし、長年にわたり設備台帳が存在しなかったため、機器やフィルター枚数の増減があった記録も残っておらず、空調フィルターの正確な枚数が不明であるという状況に陥っていました。

結果、フィルター清掃作業の見積書の精査ができず、実際に行なわれていない作業が見積に計上されたり、逆に作業漏れが起こったりする問題が発生しました。

設備台帳があれば、機器の数量やメンテナンス履歴などの情報が明確にわかるため、上記のような問題を防ぎ、設備を効率的に管理することができます。

トラブルが起こる予兆がわかる

設備には、定期メンテナンスを行なっていても、思いがけないタイミングで故障が発生することがあります。

大きな故障が起こる前には何らかの不具合や小さな故障が発生していることも多くあります。この予兆をいち早く察知することで、大きなトラブルの発生を未然に防ぐことができます。

そのためには、過去の故障履歴や修理履歴の把握が重要です。

しかし、報告書の記録を追いかけるだけでは故障や修理の履歴を把握しにくいこともあります。そこで、設備情報と履歴を一覧性のある形で記録する設備台帳が有効になります。

設備台帳を作成して履歴を残したり、適切に情報を更新したりすれば、その情報をもとに計画や作業を実施することが可能になり、故障リスクを事前に把握してトラブルの予兆を早期に発見できます。

なお、設備台帳の作成後は、ビルメンテナンス会社の担当者や設備管理の現場担当者と建物オーナーさまが、それぞれの立場で台帳の更新情報を確認し、計画や作業を行なうことが大切です。

労力や時間を減らせる

設備台帳を整備し、定期的に更新することで、急な点検や修理が必要になった場合でも迅速に対応できます。

例えば、設備台帳を作成しないまま10年以上経過していたある施設で、設備に故障や不具合が発生し、それにともなって点検や修理の必要が生じました。しかし、設備台帳がなかったため、故障箇所の特定や対策に相当な時間と労力を要しました。

その場しのぎの応急処置だけを行ない、台帳等の適切な形で記録を残さなかった場合、また同じ問題を繰り返す可能性もあります。

設備台帳を一度整えておけば、設備の改修時に情報を更新するだけで済み、以前にどのような対応を行なったか、緊急時にも明確になるため、慌てる必要がありません。台帳を利用した適切な設備管理により、日常の業務の負荷を軽減でき、労力や時間を減らすことにつながります。

計画を立てやすくなる

設備台帳があると、設備に関するさまざまな計画を立てやすくなります。

例えば、年間の設備点検計画を抜け漏れなく作成することができます。設備の点検スケジュールを明確にし、必要なメンテナンスを適切なタイミングで実施することで、設備の不具合や故障の予防につながります。

また、設備台帳をベースに、中長期的な修繕計画(投資計画)を作成することで、オーナーさまの設備に関する支出を見通すことも可能です。

さらに、空調や照明などの設備を踏まえた建物全体のレイアウト変更の計画を立てる際にも、設備台帳は役立ちます。

設備台帳の記載項目

建物の設備台帳には、設備管理に必要な情報が詳細に記載されます。おもな記載項目は以下のとおりです。

  • 機器の種類:メーカー、型式、製品名、仕様設計など
  • 資産情報:所有者(オーナー資産またはテナント資産など)、購入価格、耐用年数など
  • 設置場所:設備を設置している場所
  • 設置日:設備を設置した年月日や稼働を開始した年月日
  • 点検記録:定期メンテナンス状況、点検年月日、点検者など
  • 故障履歴:故障が発生した年月日、故障内容、修理内容、修理を実施した年月日、修理金額など

これらの情報を設備台帳に記載することで、設備の効率的な運用につながります。

設備台帳を作る際のポイント

設備台帳を作る際のポイント

設備台帳を作成する際には、いくつかのポイントを押さえる必要があります。

ここでは、設備台帳の作成にあたって押さえておきたいポイントを4つ紹介します。

1.メンテナンス性を考慮する

設備台帳は、設備保全に必要な情報を適切に管理するためのツールです。

しかし、記載内容をあまりにも詳細にすると、更新のたびに多くの作業が発生し、記載の誤りや抜けが生じやすくなったり、更新を止めてしまったりする可能性があります。

そのため、自社の性質に応じて必要な情報を選定し、記載内容のバランスを取ることが大切です。実用性を重視した記録を心がけるとよいでしょう。

2.設備の特性に応じて情報の詳細度を調整する

設備によっては、「ユニットごと交換」や「部品単位で交換」など、その設備の特性に合わせて記録する情報の粒度を変化させることが効果的です。

設備の特性に応じて情報の詳細度を調整することで、メンテナンスや修理の際に必要な情報を迅速に取得できるようになります。

3.設備台帳の利用者のニーズを考慮する

設備管理の現場と建物オーナーさまでは、求める情報が異なる場合があります。

例えば、現場の担当者には物理的なメンテナンスや機器に関する詳細情報が必要ですが、経営層や建物オーナーさまには資産情報などが必要です。

一方の立場だけで設備台帳を作成すると、使い勝手の良くない状況が生じる可能性があります。そのため、双方の立場を考慮してバランスの取れた設備台帳を作ることが大切です。

4.ツールを使って一元管理する

ツールを利用して設備台帳を一元管理することで、管理業務を効率化できます。

例えば、エクセルで設備台帳を作成する場合、設備管理の担当者が数人でファイルを共有することが一般的です。しかし、最新版がわからなくなったり、誤って必要なデータを削除したりといったヒューマンエラーが起こりやすくなります。

専用の設備台帳ツールを利用すれば、システム上の情報が常に最新のデータであるため、バージョン管理の意識が不要です。また、設備台帳の更新作業の面倒な部分をシステム化することで、人的工数を減らし、ヒューマンエラーを軽減できます。

さらに、ツール化・システム化することで、設備管理の担当者が変わっても引き継ぎをスムーズに行なえるため、属人的な管理を避けられることも重要なポイントです。

「設備台帳」の作成に関するご相談は大阪ガスファシリティーズへ

建物の設備台帳を作成することで、設備の設置場所や仕様、メンテナンス履歴を一目で把握でき、効率的な管理が可能です。また、故障予防や迅速な対応ができるため、トラブルのリスクを減らすことにもつながります。

設備台帳を作成する際は、実用性を重視し、必要な情報を選定して記載することが重要です。ツールを活用した一元管理で、管理業務の効率化やヒューマンエラーの軽減を図りましょう。

大阪ガスファシリティーズでは、オーナー代行サービス「ユーティリティファシリティマネジメントサービス(UFM)」の一つであるデータ・マネジメントサービス(DM)において、お客さまの所有建物の図面・設備台帳管理サービスを行なっています。

大阪ガスファシリティーズのスタッフが、お客さまの建物の設備状況を確認し、エクセルやCAFM(Computer Aided Facility Management)システムで設備台帳を作成します。

CAFMシステムで作成した場合、設備台帳の更新サービスも提供しています。お客さまは設備台帳のクラウドデータを閲覧したり、最新版データを抽出したりすることが可能です。

設備台帳の作成後も、同種・類似設備のメンテナンス・修繕経験やノウハウを活かし、設備を長く利用するための適切なメンテナンス計画や更新のタイミングを提案します。お客さまの所有建物のLCC(ライフサイクルコスト)の低減に貢献します。

設備台帳の作成に興味のある方は、大阪ガスファシリティーズにご相談ください。

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