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冬場の効果的な節電方法とは? 我慢せず節電する方法をお伝えします

冬場の効果的な節電方法とは? 我慢せず節電する方法をお伝えします

冬場の節電方法としてよく言われることに、「暖房は20℃に」「こまめな消灯」「節水」などが挙げられます。しかし、我慢を強いる省エネには限度があります。この記事ではオフィスビルや学校など、多くの人が過ごす場所で我慢せず節電を成功させる方法をお伝えします。

“我慢の省エネ”で節電した気になっていませんか?

“我慢の省エネ”で節電した気になっていませんか?

冬場の節電と聞いて、真っ先に思いつくこととしては「暖房の温度を下げる」ではないでしょうか。また「使っていない電気を消灯する」「水道をこまめに止める」も思いつくのではないかと思います。しかし、こまめに気をかけることで節電を達成するのは、手間に対して効率が悪く、不快感も伴い生産的とはいえません。残念ながら、抜本的なシステムの導入なしに人間が我慢することで行う省エネは、効果の薄い“我慢の省エネ”です。

“我慢の省エネ”がNGの理由

例えば、暖房の設定を20℃に固定したとしても、空調設備そのものの設定や換気設備の性能、ひいては窓や外壁の断熱性能次第で室温は大きく変わってきます。特に換気設備の性能が悪い場合は感染症対策として窓を開放することもあるため、室温は更に低下し、その分空調設備が大量のエネルギーを消費します。結果として、「常に寒いにもかかわらず、特に省エネにはなっていない」という、あまりありがたくないことが起きてしまうのです。

一般的なオフィスビルでは、消費電力の約5割が空調関係です。また、空調の消費電力の内訳を見ると、熱源設備で約6割、熱の搬送で4割という割合になります。この2つをいかに制御し、管理できるかが省エネのカギです。我慢の省エネでは、空調の消費エネルギー量を大きく削減するのは困難ですので、まずはエネルギー管理から始めるべきでしょう。

効果的な冬場の節電方法とは?

効果的な節電を行うためには、まずは消費エネルギーを管理できる体制を作ることが重要です。現状のエネルギー消費量を把握し、削減の目標値を設定することから始めましょう。削減目標を作るためには、エネルギー消費量の推移を可視化し、月々で確認する必要があります。具体的な省エネ目標を作り、人力ではなく機器の運用改善によって無理のない“快適な省エネ”を進めていきましょう。

では、そのためには何をすればいいのでしょうか?

まずはBEMSの導入から

BEMS(Building and Energy Management System、ビルエネルギーマネジメントシステム)とは、建物の空調・照明・水道等を制御するシステムのことです。エネルギーの消費量と供給量を計測するとともに、今後のエネルギー消費量を予測し、不要なエネルギーコストを抑えるようにシステムを運用してくれます。まずはBEMSを導入することで消費エネルギー量を可視化し、省エネを目指してみましょう。

断熱化工事

いくら高性能な空調設備を導入したとしても、窓や外壁からどうしても熱は出入りするものです。窓や外壁を外気温からの影響を受けにくいものへ変更すれば、日照状態や外気温の影響を小さくし、室温を一定に保ちやすくなります。窓への遮熱フィルムの貼付やペアガラス化・二重サッシ化などは保温効果が高いうえに、騒音軽減や防犯などの副次的効果もあります。空調・熱源設備への負担を軽減し、結果消費電力を低減できる断熱化工事は冬場の節電方法として大変有効です。

全熱交換器の見直し・導入

近年は特に感染症対策のため、冬場に窓を開けることがよくあります。しかし、窓を開けた場合は室温が下がるものです。換気扇を稼働させても同じく、外気と屋内の空気が入れ替わるため、室温が下がります。空調にかかる負荷のうち、およそ3割はこの外気負荷が原因であると環境省の「温室効果ガス排出削減等指針」なども認めています。

全熱交換器は、排気時に外へ捨ててしまう室内の熱や湿気を回収し、給気してきた冷たく乾いた空気に戻すことにより、換気を行っても屋内の熱や湿度を逃がさない換気装置です。全熱交換器を使った換気により冬場の感染症対策を行いながら屋内の環境を快適に保て、熱源・空調設備の双方にかかる負荷を軽減できるため、大きな省エネ効果がみこめます。

ガスコージェネレーションシステム導入

ガスコージェネレーションシステムとは、都市ガスを利用して発電を行うとともに、発生する熱を冷暖房・給湯などに利用するシステムです。大規模な発電システムと比較して、廃熱や送電によるエネルギーの無駄を省くことでおよそ2倍の効率で発電が行えます。冷暖房や給湯設備を省エネ化するとともに、発電による電力供給が同時にできるため、電気料金を低減するとともにCO2も3割程度削減することも可能です。

また、停電対応型のコージェネレーションシステムであれば、電力供給が災害などで停止した場合でも一時的に発電を行えるため、BCP計画を立てる上でも役立ちます。

オフィスビルの節電のコツ

オフィスビルの節電のコツ

前述したように、オフィスビルは消費電力の約5割が空調周辺で、さらにそのうちの6割が熱源設備で使用されています。残りは多種のオフィス用設備が消費しています。つまり、オフィスビルの節電を成功させるには、1つは設備の管理と監視を行うこと、もう1つは熱源設備を見直すことが重要です。

熱源設備の見直し

ビルの冷暖房を制御する熱源設備が、竣工時の設定のままである場合は要注意です。実際のビルの負荷特性に関わらず、初期設定のまま複数台の熱源設備を運用している場合、消費エネルギーに無駄が生まれ、エネルギー消費量が多くなっている場合があります。

夏期・冬期・中間期など、季節により異なるビルの負荷特性に応じて適切に熱源設備が稼働するように、冷温水温度や台数制御の最適化など設備の設定を見直すことで、熱源設備の効率を改善し、節電ができます。

学校施設の節電のコツ

学校施設の節電のコツ

オフィスビルの節電のコツの多くは学校施設にも当てはまりますが、学校施設はオフィスビルと違い、一般的にオフィスビルよりも面積が広く、棟数が多く、出入りする人数も多いという特徴があります。そのため、オフィスビルの節電のコツに加えて、以下のような節電方法が有効です。

設備の集中管理・間引き

学校施設は複数棟の建物を持つことが多く、くわえて歴史が長い場合はそれぞれの建物が異なった時期に建てられていることがほとんどです。そのため、棟によって違った管理システムが導入されていたり、複数棟の設備を繋げたりした結果、設備の稼働が効率的でない場合があります。棟単位ではエネルギー消費量が最適化されていたとしても、学校施設全体で見たら稼働が最適化されていないということもあるのです。

まずは集中リモコンの導入等で管理システムを最適化・集中化し、設備全体の稼働状況を再確認、非効率な設備や非稼働設備、あるいは過負荷がかかった設備などがないかを洗い出しましょう。特に歴史が長く、棟数が多い学校ほど、この集中管理と間引きによって施設の快適性を落とすことなく大きな節電効果が得られます。学校によっては30%の節電に成功した例もあります。

もっと根本的な省エネへは

消費エネルギー量をもっと根本的なところから見直したい場合は、以下のような対策もあります。

CAFMの導入

CAFMとは、Computer-Aided Facility Management(コンピュータを使ったファシリティマネジメント)の略称、ひいてはファシリティマネジメントのためのコンピュータソフトウェア全般を表す言葉であり、読み方としては「キャフム」が一般的です。

図面・関連書類管理、スタッキング・ブロッキング管理、備品や機器管理、ライフサイクルコスト算定など、多様なデータを一元管理できるCAFMを導入することで、オフィスビル内の設備管理を省力化し、非稼働設備や老朽化した設備、無駄な設備の洗い出しが可能になります。

老朽化した設備や非効率な設備を明らかにすることで、省エネ投資の効果や必要性も見えてくることでしょう。

CAFMについて詳しくはこちらの記事もご覧ください。

CAFMとは何なのか?どんな機能があるのか?を解説します

建物の節電は大阪ガスファシリティーズにご相談ください

この記事では冬場の効率的な節電方法として、人力での“我慢の省エネ”ではなく、設備の可視化や見直しによる“快適な省エネ”が重要であることをご説明しました。

しかし、設備の可視化や見直しは効果がとても大きいものの、一朝一夕にできるものではなく、予算も必要になります。予算の確保や省エネ化の優先順位、修繕計画に不安がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな時にはやはり、施設管理を代行してくれるビル管理会社を頼り、協力して長期修繕計画を作っていくことから始めるのがいいでしょう。

ビル管理会社の選び方については、以下の記事も参考にしてください。

ビル管理会社の選び方って? ポイントを解説

特に節電や省エネに強いビル管理会社で、多数の管理実績があり、様々な管理業務をワンストップで提供している業者に依頼することによって、“快適な省エネ”は実現できるでしょう。

大阪ガスファシリティーズは、Daigasグループの一員として多数のビル管理の実績があり、「設備管理」、「警備」、「清掃」などを中心に、「改修工事」や「エネルギーマネジメント」といった総合ファシリティマネジメントサービスを提供しています。更に、これらのサービス・技術力を土台としながら、お客様の目線で管理業務の効率化や管理コストの低減を進めるオーナー代行サービス、ユーティリティファシリティマネジメントサービス(UFM)を提案しています。Daigasグループと連携したエネルギーマネジメントにより、省エネしながら、オフィスや教育施設の長期修繕計画や強靭化もサポートいたします。

建物の節電・省エネ化についてお悩みなら、是非とも大阪ガスファシリティーズにご相談ください。

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