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ビルの停電におけるBCP対策の重要性とは?具体的な対応策

ビルの停電におけるBCP対策の重要性とは?具体的な対応策

ビルの運営において、停電は従業員や施設利用者への影響、事業継続の困難な状況などを引き起こす重大なリスクです。

このようなリスクに備えるためには、BCP(事業継続計画)を策定し、停電時の対応を強化することが必要です。

この記事では、停電がビル運営に与える影響をふまえ、停電時に役立つ具体的なBCP対策を解説します。停電によるリスクを最小限に抑え、安定した運営を維持するためにぜひ参考にしてください。

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停電がもたらすビル運営のリスクとは?


停電はビル運営において重大なリスクをもたらします。ここでは、停電時に直面する具体的なリスクについて解説します。

従業員や施設利用者への影響

停電が発生すると、ビル内の設備が停止し、従業員や施設利用者の安全や快適性に影響をおよぼします。

例えば高層ビルでは、エレベーターが使えなくなることで避難が困難になり、混乱が生じるおそれがあります。古いタイプのエレベーターの場合、突発的な停電により閉じ込め事故にいたるケースも想定されます。また、照明が消えると視界が悪くなり、特に夜間帯に突発的な停電が発生すると、事故やケガのリスクも増加します。

空調システムの停止による健康面のリスクも無視できません。

夏季には室温が急上昇し、熱中症の危険性が高まります。冬季には室内温度の低下により、低体温症の発症リスクが生じる可能性もあります。

事業継続の困難な状況による経済的損失

停電が発生するとビル内の業務が停止し、経済的損失が生じます。

オフィスや商業施設では、電力が停止することでインフラ設備や業務システムの停止等による売上に直結する業務の中断が避けられません。

また、電気錠やセキュリティーシステムの停止による防犯面のリスクも考えなければなりません。

さらに、長時間の停電は設備や機器に悪影響を及ぼすため、設備の復旧にかかる費用や時間がさらなる経済的損失を増大させる原因となります。

データ破損やシステム障害

停電は、ビル内で稼働しているサーバーやコンピュータシステムにも深刻なダメージを与えることがあります。

突然の電力供給の停止でデータが破損したり、システムが正常に復旧できなくなったりするケースもあり、重要な業務データの喪失につながる可能性も考えられます。

このような事態は、ビジネスの信用に悪影響をおよぼし、顧客や取引先との信頼関係を揺るがすことにもなりかねません。

通信環境の不安定化と連絡手段への影響

停電でビル内の通信設備が影響を受け、外部との連絡手段が制限されるリスクもあります。

固定電話やインターネット回線が使用できなくなれば、通常業務に大きな支障をきたすでしょう。携帯電話は使用可能な場合が多いものの、電波状況や長時間停電時のバッテリー切れには注意が必要です。

また、Wi-Fiが使用できなくなることで、大容量データ通信や安定した接続が必要な業務に影響が出るおそれもあります。特に緊急時の対応が遅れると、事業活動においてさらなる損失や混乱を引き起こすことも考えられます。緊急時対応の遅れや重要な連絡の滞りで、取引先や顧客との関係に悪影響をおよぼす可能性もあるでしょう。

ビル内設備の利用制限

当然ながら、ビルの設備も電気で動くものが大半のため、思わぬところでトラブルが発生することもあります。

まず、水道やトイレなど給排水設備について、電動のポンプで稼働している場合、停電により、使用できなくなる可能性があります。

他にも、ビル設備内においてシャッターなどを設けている場合は、停電により開閉不能となれば、車両等の出し入れができなくなる可能性があります。

また冷凍冷蔵品の貯蔵をしている施設で停電が起こった際には、貯蔵している品物が傷み、廃棄する場合もありえます。

停電時に役立つ具体的な対応策


停電はビル運営に深刻な影響をおよぼします。そのため、停電リスクを軽減し、安定した運営を維持するための対応策が重要です。

ここでは、停電時に役立つ具体的な対応策を紹介します

複数のエネルギー源の確保

停電リスクを軽減するためには、複数のエネルギー源を確保することが重要です。1つのエネルギー源に依存せず、複数の供給源を準備することで、長時間の停電や大規模な電力障害に対応できるようになります。

■二重の電力供給ラインで停電リスクを減らす
停電対策として、本線と予備線の2つの回線を用意する「本線予備線受電」の導入が有効です。万が一、片方の回線が停止しても、もう一方に切り替えることで電力供給を維持できます。

■コージェネレーションシステムの導入
ガスを用いたコージェネレーションシステム(電気と熱を同時に生成するシステム)を導入することで、停電時にも持続的な電力供給が可能です。

非常時の備えとしてだけでなく、日常業務でもエネルギーコストの削減が期待できます。

非常用電源設備の導入と管理

先述したように複数のエネルギー源を確保していても、電力供給が停止する可能性はあります。そのため、非常用電源設備の導入が重要です。

非常用電源設備は、停電による業務停止やデータ損失を回避し、業務の継続性を確保する役割を果たします。平時には稼働せず、電力供給が停止した際に一時的な対策として機能します。

非常用電源設備にはおもに「非常用発電機」と「UPS(無停電電源装置)」の2種類があります。

■重要設備を守るために非常用発電機を活用する
停電時にビル内の設備が停止すると、業務や安全に影響をおよぼします。

非常用発電機の導入により、停電時に最優先とされる重要機能を一時的に維持するための電力を供給することが可能です。

■UPS(無停電電源装置)で短時間の停電にも対応する
UPS(無停電電源装置)は、短時間の停電や瞬時の電力遮断に対するバックアップとして有効です。サーバーや通信機器を保護し、データの損失や機器の故障を防ぎます。特に、インバーター出力式のUPSについては停電発生時、一瞬の停電もすることなく、バックアップ電源に切替わり電気機器への影響が皆無と言われています。

■停電時の対応や業務継続のためのマニュアル策定
停電時の備えとして必要なのは電源確保だけではありません。停電による混乱を避けて従業員や施設利用者の安全を守り、業務を継続するためには、事前に対応手順を明文化したマニュアルを策定しておくことが重要です。

■避難方法と安全確保のルールを設定する
停電時における従業員や施設利用者の安全を確保するため、避難方法や安全確保のルールを事前に策定しておく必要があります。

避難経路や集合場所、避難時の手順を全従業員に周知し、定期的な避難訓練を実施することで、緊急時にも冷静に対応できる体制を整えておきましょう。

■業務継続のためのマニュアルを作成する
停電発生時の初動対応から業務再開までの手順を明確化しておくことも必要です。

マニュアルには重要業務の特定や優先順位づけ、代替手段の準備などを記載しておきます。定期的な見直しと更新を行ない、常に最新の状況に対応できるようにしておくことが重要です。

■必要な電力量と優先設備を確認する
停電時に必要となる電力量と、優先的に稼働させるべき設備(通信機器、照明、空調など)を事前に把握しておくことも大切です。

停電に備えるためのBCP(事業継続計画)がもたらす効果

前章では停電時に役立つ具体的な対応策を紹介しましたが、これらの対策をすべて一斉に行なうのは難しいため、優先順位をつけて行なう必要があります。

そこで重要となるのが、BCP(事業継続計画)の策定です。BCPを作成しておくことで施策の優先順位をつけられるため、無駄のない対応を実現できます。

BCPは、災害時に事業を維持し、損害を最小限に抑えるために多くの企業が導入しています。特に事業を再開するうえで電力供給は欠かせない要素であり、停電を見据えたBCPの策定は非常に重要です。

ここでは、停電に備えるBCPを策定することで得られるおもな効果をいくつか紹介します。

事業継続性の保持

停電が発生しても、BCPに基づき電力供給の手段を確保することで、事業の中断を防ぐことができます。

ビル運営における重要な設備やシステムが停止することなく稼働し続ければ、テナントや施設利用者への影響を最小限に抑えることが可能です。

事業継続性を維持することで、災害後の復旧もスムーズに進み、長期的な損害の防止にもつながります。

安全性の確保

BCPに基づいて非常用電源の導入や避難計画を整備することで、災害時の安全対策が強化されます。

例えば、照明の停止にともなうリスクを回避し、避難経路の確保と安全な避難誘導を行なうことが可能です。

損失の最小化

停電による施設運営の損失などを最小限に抑えるため、BCPでは事前の電源確保や重要設備の保護が重視されます。

適切な電力対策を講じることで、機器の故障やデータ損失を防ぎ、復旧にかかる時間やコストを削減できるでしょう。

信頼性の維持

BCPを策定していない場合、停電などの災害時に適切な対応ができず、混乱が生じやすくなります。結果として、テナントや施設利用者からの信頼を失い、ビルの評価を下げる要因にもなりかねません。

しかし、BCPを策定し、停電時にも迅速かつ適切な対応を行なえる体制を整えておくことで、「このビルは災害時にも対応がしっかりしていた」と評価され、信頼性を維持することができます。

「停電におけるBCP対策」のご相談は大阪ガスファシリティーズへ

ビル運営における停電リスクは、業務の停止や安全面の問題だけでなく、信頼の低下にもつながる可能性があります。

しかし、BCP(事業継続計画)の策定により、優先すべき対策を明確にし、停電時の影響を最小限に抑えることが可能です。電源の確保や避難計画の整備によって、安全性を高めると同時に、円滑な事業継続を実現することができるでしょう。

大阪ガスファシリティーズでは、BCPを支える非常用発電機やコージェネレーションシステムなどの設備の導入をご提案しています。

必要な電力量やBCPに求められる条件は、お客さまによって大きく異なります。そのため、導入前には綿密なヒアリングを行ない、お客さまのニーズに最適なソリューションをご提案します。

システム設置後も安心してご使用いただけるよう、定期的なメンテナンスサービスを実施し、安定した電力供給を長期的にサポートします。

また、当社が管理している物件においては、復旧対応や復旧後の点検・メンテナンスのサポートも行なっています。

ビルの停電におけるBCP対策に興味をお持ちのオーナーさまは、ぜひ大阪ガスファシリティーズにご相談ください。

なお、停電しないための予防保全についてのご相談についても承っております。

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